• 大黒柱

    家の中心にど~んと立つ桜の大黒柱。山積みされた大木の中から建主と一緒に選びました。来客の全員が掌で触り、頬を撫で、抱きつく人もいると聞きます。敢えて部屋の真ん中に置いた構造的にも必要な心柱ですが、この家には頼り甲斐のあるもう一人の主人とも言えそう。森の中で見つけた大樹のようにこの柱を眺めているだけで、家づくりが物語として幕を重ねていく気がします

    大黒柱
  • 一枚岩

    一枚岩の前で浴びるシャワー、こんな贅沢な仕掛けも素材の源流者との繋がりがあれば叶います。25年前、原石の切り出し山を訪ねた時から二代越しの付き合いが続く職人さんに、こんなことは可能だろうか?と持ちかけ、建主を連れて現場に入り、山を登って探し当てた一枚岩を大切に持ち帰ってシャワー室に据えました。この迫力に負けない強靭な体の建主ゆえの醍醐味といえます

    一枚岩
  • 組子建具

    住まいの味わいはクオリティで決まります。その事例として「組子建具」を選びました。ただ、高級感とは少し違います。家の誂えが凝っていることが重要なのではなく、意味ある仕掛けかどうか、とでもいいましょうか?写真は透明ガラスの入った組子格子の建具。家族の気配を大切に、次の部屋との繋がりを持ちたい半面、食卓の表情までは窺えないため、扉の中央部に行くほど格子を細かくしています

    組子建具
  • 左官壁

    現代、戸建であれマンションであれ、部屋の壁はビニールクロスが主流ですが、私たちは職人がコテで塗る左官材を選んできました。手触りや風合い、調湿や脱臭機能など利点は豊富ですが、一番の魅力は経年変化。時が経ち傷や汚れがついても、人の皮膚と同じで魅力が増すのです。特に漆喰は、内外壁共に耐久性、対候性に優れ、湿気の高いこの国の風土に最も適した素材と考えています

    左官壁