• アプローチ

    26年前、完成直後の拙宅です。奥行き75m、高低差9m、道路間口4mの変形敷地ゆえ、奥の家まで約50mのアプローチが必要になりました。この長い登りで試みたのは「騙し絵」の技法。最初は見える視線をはぐらかすために円形に歩かせ、道半ばで近づく建物に眼を向かせ、次に足元の石段で注意を引き。最後は玄関戸正面への水平移動。毎日の行き帰りを少しでも軽く感じるための工夫です

    アプローチ
  • 玄関周り

    玄関周りには、家の印象づくりとは別に、もっと大切な機能を備えねばならないと私は考えます。玄関を出る時、人は、外を確かめ、天気や気温湿度を瞬時に捉え、一瞬鞄を置き、鍵を閉め、子供や伴侶に声をかけ、コートを羽織り、傘をさす..毎日ルーティンのように行われる一連の効率かつ確実な身動きを、流れるように運べる仕掛けが玄関周りには備わっている必要があります

    玄関周り
  • 濡れ縁

    室内と庭を繋ぐ曖昧な領域となる「濡れ縁」。現代では屋外デッキと呼べるこの日本的な空間が、今失われようとしています。時にバーベキューの長ベンチ、時に外作業の休憩場所、時に午後のティータイム、時に梅干し干しなどに活躍してきましたが、写真はお月見会食の後に催された「夜会の一場面」。こんな素敵な時間もこの場に集う人の心に残る屋外空間ならではのひと時ですね

    濡れ縁
  • 車庫

    群馬人にとって自家用車は家人同然、得てしてその居場所は家の顔にもなります。でもひっそりと暮らしたい家族にとって、必要以上の存在感は無用です。そこで大事なのが車庫屋根の高さ。高い軒先はそれだけで通る人に威圧感が与えてしまうため、頭すれすれに低く抑えたのがこの作例。おかけで奥の中庭にも陽が差し込み、車庫が室内のプライバシーを守ることにもなりました

    車庫