フリューゲル・ザール

文化薫るホールを

50人のための音楽ホールに託されたのは

「文化薫る音の器」でした。  

声楽家の建主夫妻が願った文化とは何か?

自問を繰り返しつつ、個人のご夫妻が

音楽ホールを建てる意気込み負けじと、

音の真剣勝負の舞台に日本建築の

多才な技の文化を束ねる策を練りました

密度高い音を直接受ける反響版は

秋田杉の広幅板で天井全体の包み、

吸音には土壁下地の漆喰壁、

音の乱反射には大谷石を積み上げました。

まさに、「音楽と建築」の「対峙と融合」を

目指したホールの杮落としの日、

立会者は、ウィーン国立音大の教授、

ワルター・モーア先生。

すべての演奏が終わり、

まな板の鯉の設計者に投げられた言葉は、

fantastic(ファンタスティック)!

「ホッ、これで任務完了」

心の中でつぶやきました

建主の著書  ISBN4-916150-01-5

フリューゲル・ザール

場所
千葉県柏市
用途
音楽ホール+住宅
構造
木造二階建て
竣工年数
1995年4月8日