藪塚本町の家

沢入御影を積む

建主の一言は、「薪ストーブが欲しい」

そこで楽しいストーブ選びは建主に任せ、

エアコンの10倍もの熱量を放出する冬の主役に、

どんな舞台を用意するかを練った

答えは意外にも身近にあった

建主の同級生が原石山で石を掘り出しているという。

足尾銅山の麓の沢入で採掘される御影石

その売り物の隣で捨てられる「ゴンベ石」が

その舞台づくりを担ってくれた

アト一千万年地下で眠っていれば

立派な売り物になったのだが、

赤茶けたゴンベ石の方が私には魅力的だ

野面積みされた石の壁は、

有り余る熱の蓄熱体

火を落としたアト、広い居間を朝まで

じわーっと温めてくれている

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第五回 ぐんまの家  入選

藪塚本町の家

場所
群馬県藪塚本町
用途
専用住宅
構造
木造平屋建て