再生の場
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築百年の古民家を引き受けた建主は画家
当初、土蔵倉をアトリエとしていたものの、
冬場は体調に触るほどあまりに寒く、
設計者に託されたのは、
大正期の農家母屋の大改築です
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屋根裏に入って現場を確認すると、
昭和期に何度か手直しされていたものの、
それが却ってアダとなっていたり、
どこから手をつけていいか?
悩むばかりだった転機は、
屋根裏から現れた一本の畝る梁でした
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暗い屋根裏に潜んでいた龍の如く、
仰ぎ見る者を圧倒する存在感
この梁こそが画家の魂を共鳴させ、
再生計画の根幹が形成されました
プランニングは流れるように進み、
メイン空間は2階アトリエとなり、
床に降り注ぐ光を暗い一階食堂に降ろし、
上下立体的な生活空間が
百年の刻を超え、再生されました
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